2015年「相」決算 車両・運用編

2015年の相鉄線を振り返る年末恒例企画、まずは車両・運用編です。

車両・運用編 施設編 イベント編 周辺環境編

1.新カラーコンセプト「YOKOHAMA NAVYBLUE」制定

2.9000系更新への足掛かり 本革クロスシート試験

3.特急は運行時間帯を拡大 日中の急行・いずみ野線快速復活

4.ベビーカーマーク導入と優先席表示の更新

5.ドアステッカー更新

6.そうにゃんトレイン交代

7.ラッピング電車「ストロボ・エッジ号」と「ウルトラヒーロー号」

8.8000系変化3題 室内灯・前照灯のLED化と制御装置交換

9.デジタル列車無線の導入

10.7754Fが人身事故から約1年ぶりに運用復帰

11.2016年の車両・運用展望

1.新カラーコンセプト「YOKOHAMA NAVYBLUE」制定
  濃紺色に塗られたサハ7601が車両センターで目撃されて以来、次期新車での新たなカラーリングが予想されていましたが、6月1日に発表された2015年3月期決算説明会資料で「YOKOHAMA NAVYBLUE」として9000系のイメージ画像と共に公表され、サハ7601で試験された塗装が従来車両にも及ぶことが分かり、相鉄ファンに衝撃が走りました。
  11月5日には「デザインブランドアッププロジェクト」として詳細なプレスリリースが発表され、既に予告されていた9000系のリニューアルが大がかりなものとなることが判明しました。「鉄道ジャーナル」2016年1月号によれば、濃紺色に変更されるのは8000系以降の車両で、7000系は新7000系を含めて対象外、10000系と11000系は塗装とラッピングのどちらの手法とするか検討中とのことです。
  1本目として9703Fの更新が進んでおり、2016年春にデビューする予定です。12月24日にはコイト電工が更新で設置される主な機器の納入を発表したものの、納入数が6編成分と記載されており、誤記でなければ1編成が未更新のまま残る(東急直通対応新形式で置き換え?)こととなります。
  相鉄ホールディングスは11月27日付で「YOKOHAMA NAVYBLUE」の商標登録を出願しており、その区分範囲はかなり広範囲なものとなっています。申請上はバスも対象に含まれており、可能性としては濃紺色のバスも不可能ではないことになります。


9703Fは既に5両分の塗り替えが完了しています。


更新されない編成はどれだ?

関連リンク
2015年3月期決算説明会資料(相鉄グループ)
「デザインブランドアッププロジェクト」が本格始動(相鉄グループ)
相鉄HDが「YOKOHAMA NAVYBLUE」の商標登録を出願
コイト電工、「鉄道用LED室内灯」などの鉄道用車両機器を相模鉄道株式会社様のリニューアル車両「9000系」へ納入(コイト電工株式会社)

2.9000系更新への足掛かり 本革クロスシート試験
  上記「デザインブランドアッププロジェクト」の発表に先立ち、8712Fモハ8136のクロスシートの一部が本革に交換されました。結果としてこれは9000系の更新で本格導入されるものでしたが、当時は何も分かっていなかったため、座席指定車両の導入の予兆かという推測も出ました。


2016年1月まで試験を行います。

関連リンク
8712Fモハ8136で本革クロスシートを試験使用中

3.特急は運行時間帯を拡大 日中の急行・いずみ野線快速復活
  5月31日にダイヤ改正が実施され、特急の設定時間帯が平日は朝9時台(上りは6時台・8時台にも)から、土休日は7時台〜19時台へそれぞれ拡大されました。上り6時台は瀬谷で急行を、8時台は同じく瀬谷で快速をそれぞれ追い抜くようになりました。いずみ野線特急は毎時1本に減便されたものの、いずみ野で緩急接続を行うようになり、2年目にして運行形態が変わりました。前回のダイヤ改正で日中から消えた急行・いずみ野線快速も復活し、かつての運行形態に特急が加わった雰囲気です。この改正で2群の運行番号(21運行〜23運行)がなくなり、代わりに1群へ17運行〜19運行が追加されました。


瀬谷4番線に入った快速を追い抜く特急。初日はホーム上に駅長さんの姿もありました。


いずみ野が二俣川・星川に続いて3駅目の緩急接続駅となりました。


改正初日の18運行には7707Fが入りました。

関連リンク
5月31日ダイヤ改正実施 日中急行/いずみ野線快速復活
ダイヤ改正実施 初日は停電で混乱あり
平日新ダイヤスタート 瀬谷で通過待避始まる

4.ベビーカーマーク導入と優先席表示の更新
  周辺他社と同じく、車椅子マークと並んで各車両にベビーカーマークが貼り付けられました。10月には優先席における携帯電話マナーが変更され、その直後に優先席表示の更新が始まりました。公的に制定されたベビーカーマークはもちろん、優先席表示も今回から関東の事業者で統一されました。いまだ更新されていない事業者もありますが、相鉄はいち早く完了しました。



ベビーカーマークと新しい優先席表示。

関連リンク
ベビーカーマークの貼り付けが始まる
携帯電話マナーの変更に伴う新しい優先席表示が登場

5.ドアステッカー更新
  相鉄のドアステッカーと言えば「ドアーにご注意ください!」でしたが、ここにもそうにゃんが進出。あっという間に見慣れた表示が姿を消しました。厳密には車両センターの保存車や厚木の休車群に旧ステッカーが残っていますが、個人的には11000系まで続いた相鉄らしさとして今後も変わらぬものだと思っていただけに、正直言って残念でした。



新しいドアステッカーとお馴染みのシンプルなドアステッカー。

関連リンク
「そうにゃん」を起用した新しいドアステッカーが登場

6.そうにゃんトレイン交代
  11003Fで運行されてきた「そうにゃんトレイン」は、3月8日の「そうにゃんバースデーフェスタin相模大塚」において11004Fへと交代しました。そうにゃんについては別途触れますが、徐々にそうにゃんの認知度は上がっており、2016年も何らかの形で運行が継続されるかもしれません。


新旧「そうにゃんトレイン」。

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11004Fが新しい「そうにゃんトレイン」に
「そうにゃんバースデーフェスタin相模大塚」が開催される

7.ラッピング電車「ストロボ・エッジ号」と「ウルトラヒーロー号」
  2015年の相鉄は「そうにゃんトレイン」だけでなくさらに2つのラッピング電車が走りました。相鉄がロケに協力していずみ野線で撮影が行われた映画「ストロボ・エッジ」にちなんだ10703Fの「ストロボ・エッジ号」と、3年連続の10708F「ウルトラヒーロー号」。いずれも2015年内に終了しています。



2016年も新たなラッピング電車に期待したいです。

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「ウルトラヒーロー号」運行開始

8.8000系変化3題 室内灯・前照灯のLED化と制御装置交換
  8000系には室内灯・前照灯をLED化した編成が登場しました。室内灯は8709F、前照灯は8712F、8705F、8708Fがそれぞれ交換され、前照灯は9000系と同じものとなっています。2016年に他の編成へ波及するかが注目されます。
  さらに8710FでVVVFインバータ制御装置とSIVの交換が行われ、深夜に試運転が行われています。鉄道ピクトリアル新車年鑑によれば9000系と同じ制御装置に交換されるとのことで、2016年に営業運転復帰および他編成の交換へと段階が進むと思われます。




LED前照灯や制御装置交換は9000系に続く形となりました。

関連リンク
8710FのVVVFインバータ制御装置が交換される
8000系に室内灯LED化編成が登場
8712Fの前照灯がLED化される
8705Fの前照灯がLED化される

9.デジタル列車無線の導入
  2014年のATS-Pに続き、10月3日始発からデジタル列車無線の使用を開始しました。これで設備上はJR東日本の車両が入線できることになりました。次の新車からはいよいよ相鉄ATSも独自の列車無線・アンテナもない状態で登場しそうです。



関連リンク
10月3日始発からデジタル列車無線の使用を開始

10.7754Fが人身事故から約1年ぶりに運用復帰
  2014年8月29日夜に西谷駅で発生した人身事故の当該車・7754Fが、8月19日から約1年ぶりに運用に復帰しました。休車の間に営業車両に施工されたベビーカーマーク追加やドアステッカーの更新も一気に行われ、定期検査も施工されました。こうした長期離脱が今後続かないことを願います。



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7754Fが人身事故から約1年ぶりに運用復帰

11.2016年の車両・運用展望
   動き出すYOKOHAMA NAVYBLUE、そして12000系導入発表?

  2016年は、確定事項として9703Fが「YOKOHAMA NAVYBLUE」第1弾として走り出します。5100系や2100系といった車体乗せ換えを除けば過去最大の更新規模となり、商標登録申請まで行っているので、デビューの際には大々的な宣伝が予想されます。11000系・10000系・8000系といった他のカラー変更対象形式への波及にも注目です。
  新車については、過去の年間新車導入本数からすると、そろそろ東急直通を見据えた直通対応車両を導入するタイミングと思われます。10000系の次が11000系だったため、新形式は12000系となるはずですが、次の設備投資計画で何らかの発表に期待したいと思います。
  ダイヤ改正は来年実施されれば3年連続となりますが、あるとすればいずみ野線特急廃止とか本線特急・急行・各停およびいずみ野線快速・各停の各20分ヘッド化といった現行ダイヤベースの変更になると思います。ただ、施設編でも触れますが来年度に和田町〜星川〜天王町の下り線が高架線に切り替えられる予定のため、個人的にはそのタイミングまでは現行ダイヤのままとなる可能性のほうが高いと見ています。
  再びカラーリング変更の追跡が本格化する2016年の車両動向に期待しています。

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