2019年「相」決算 車両関係編

 ついに相鉄・JR直通線が開業した2019年。今回も相鉄の1年を振り返る年末恒例企画、車両関係についてまとめました。

車両関係編 施設・その他編

【12000系】
2019年の主役たる相鉄・JR直通線用車両がデビュー
【20000系】
相鉄初のローレル賞受賞も直通前夜に事故で運用離脱
【11000系】
JR直通かなわずも細かいアップデートを実施
【10000系】
機器更新開始も施工場所は長野総合車両センターに
【9000系】
対象全車のリニューアル工事が完了
【8000系】
8709×10がリニューアル開始?TASCは実質設置完了
【新7000系】
7713×8が初の編成単位廃車 7715×8も運用離脱
【7000系】
大型連休を駆け抜けた10両編成 そして引退
【E233系】
相鉄線上を走る他社車両 新しい顔ぶれが登場
【番外編】
YOKOHAMA NAVYBLUEをまとったモーターカー
【展望】
2020年の車両関係はどうなる?

【12000系】
2019年の主役たる相鉄・JR直通線用車両がデビュー

 2018年に登場した12000系は3月28日に報道公開、4月13日に撮影会4月14日に試乗会をそれぞれ行い、4月20日に営業運転を開始しました。10月には7000系と並べた撮影会が行われ、その翌週にはJR東日本の川越車両センターまつりで展示されました。相鉄・JR直通線の開業までに5本が製造され、直通線開業後は計画通り直通運用の相鉄側の専用車両として運用されています。最終的には6本製造される予定となっており、そう遠くないうちに12106×10が姿を見せることになるでしょう。前年の20000系に続いてグッドデザイン賞も受賞しています。





【20000系】
相鉄初のローレル賞受賞も直通前夜に事故で運用離脱

 
2020年から増備が予定される20000系は悲喜こもごもの1年でした。相鉄初のローレル賞受賞車となり記念プレートも設置されたものの、相鉄・JR直通線開業前夜の11月29日に踏切の遮断棒をドアに巻き込む事故に遭遇。翌11月30日付けで休車となっています。不定期に車両センター構内を自力で移動している模様なのでドア交換が完了すれば復帰できるのかもしれません。来年のまとめでは20101×10の復帰と増備車の話題がかけることを祈ります。




【11000系】
JR直通かなわずも細かいアップデートを実施

 本来なら相鉄・JR直通線で運用されていたかもしれない11000系は
対応が見送られ、そのまま相鉄線内専用車として運用を続けています。2019年は車内液晶モニターでニュース・天気予報の配信が始まった他、ダイヤ改正に伴う収録データ更新で車内液晶モニターの表示が他社の路線記号にも対応しましたが、後述の通り9000系の車内液晶モニターの表示が20000系や12000系と同じようなデザインになったため、やや取り残された感じもします。




【10000系】
機器更新開始も施工場所は長野総合車両センターに

 
鉄道ダイヤ情報2019年10月号に10000系の甲種輸送ダイヤが掲載され、10701×10が分割されて反射板を設置。ベースとなったE231系と同様に機器更新を行うべく、JR東日本の長野総合車両センターに旅立ちました。工事は越年となったため、2010年から2011年にかけて東急テクノシステムで改造工事を受けたモヤ701以来の相鉄線外での年越し事例となりました(相鉄・JR直通線における12000系の外泊運用は無し)。鉄道ファン誌には相鉄に戻ってきた後に外装のYOKOHAMA NAVYBLUE化も行うとの記述があり、2020年注目の存在となりそうです。



【9000系】
対象全車のリニューアル工事が完了

 9000系は9707×10がリニューアルされ、予定していた6本全ての工事が完了。これら6本はTASCも設置されています。また相鉄・JR直通線の開業に伴うダイヤ改正に合わせて
車内液晶モニターの表示が更新され、画面上部のレイアウトが20000系や12000系と同じようになりました。リニューアルされていない9701×10は新7000系と共に種別・行き先の字幕を交換して運用され続けています。2020年は新7000系の置き換えが優先されるでしょうが、そろそろ狙って撮影するようにしたほうがいいかもしれません。




【8000系】
8709×10がリニューアル開始?TASCは実質設置完了

  8000系は12月に入って8709×10が車両センターでスカートや前照灯を撤去された状態となりました。9000系のリニューアル時に見られた動きと同じであり、その9000系も前述の通り9707×10をもってリニューアルが完了したため、8000系のリニューアルが始まったと見られます。1年後のまとめでは2本目や3本目のリニューアルについてもお伝えすることになるかもしれません。制御装置を更新した編成のうち8708×10および8710×10〜8713×10は順次TASC設置も進められ、残る8709×10が上記のように運用離脱したことから事実上設置は完了しています。上記の9701×10と同じく、8701×10〜8706×10はそろそろ狙って撮影しておいたほうが後で困らないかもしれません。



【新7000系】
7713×8が初の編成単位廃車 7715×8も運用離脱

 2019年は新7000系にもついに編成単位の廃車が発生しました。12000系の増備で7713×8が初めて編成単位で廃車となり、7715×8も女性専用車ステッカーを貼り替えたものの相鉄・JR直通線の開業後は運用入りしていません。残る7751×10〜7755×10は
種別・行き先の字幕車内案内表示器を更新して新設の通勤特急や通勤急行にも充当されていますが、12000系の置き換え対象は7000系5本という雑誌の記載からすると12106×10が完成した後にこれら10両編成の中からも近く廃車が発生しそうです。





【7000系】
大型連休を駆け抜けた10両編成 そして引退

 7000系がついに全車引退となった2019年。平成の終わりも迫った4月23日に
10両編成の運行が発表され、7710×8の両先頭車を整備。7710×8のうちの7両に7712×8から抜いた3両を組み込み、元クハ車両のないいわゆる10両貫通編成を組成して改元を跨ぐ4月29日〜5月6日に通常ダイヤの中で走行しました。そのまま7712×8が、そして元の組成に戻った7710×8も12000系と並べた撮影会の後に廃車。さよならヘッドマークは撮影会で掲出されたのみで公式に最終運行列車が告知されることもなく、静かな最期に。ここに狭義の7000系と赤い相鉄の車両が全て引退しました。




【E233系】
相鉄線上を走る他社車両 新しい顔ぶれが登場

 相鉄・JR直通線の開業により、E233系7000番台が新たに相鉄線を走るようになりました。直通線開業に向けて増備も行われましたが、特に既存車・増備車で相鉄に直通する・しないという区別はないようです。また12000系は必ず相鉄線に戻って1日の運用を終えますが、E233系は相鉄線内で運用を終えるいわゆる外泊運用も設定されました。なお、定期運用では横浜や湘南台を発着することはありませんが、ダイヤの乱れにより横浜や湘南台を発着して急行や快速に、さらには白昼にかしわ台行きとしても走るなど、相鉄線内でも割と柔軟に運用されています。





【番外編】
YOKOHAMA NAVYBLUEをまとったモーターカー

 2019年の車両の動きを振り返る上で個人的に欠かせないのがYOKOHAMA NAVYBLUEのラッピングをまとったモーターカー「じゃりすけ」。他のモーターカーやマルチプルタイタンパーにも波及するのかと思いきや、羽沢横浜国大駅構内で行われた相鉄・JR直通線のレール締結式の渡り初めのためだけに行ったもので、短期間で元の姿に戻りました。いずれ新造でYOKOHAMA NAVYBLUEをまとったモーターカーが登場するでしょうか。



【展望】
2020年の車両関係はどうなる?

 2年連続の新形式デビューも終わり、2020年は12000系の残り1本と20000系の増備開始が予定されています。20000系は2020年度に10両編成6本が増備される模様で、順当に行けば新7000系の廃車が進行すると思われます。リニューアルは8000系に施工する段階へ進んだと思われ、そして10000系も長野帰りの10701×10がYOKOHAMA NAVYBLUE化されるという雑誌の記述があり、2形式の工事をどう進めていくのか。10000系は機器更新のペースも気になります。ベースとなったE231系は1本出場するとすぐ入れ替わりに別の編成が入場しましたが、甲種輸送を要する10000系はもう少し緩やかに進められそうです。他方、対象車のリニューアルを終えた9000系は9701×10の置き換えも2020年にするとは考えにくいので比較的落ち着いた1年になるでしょうか。11000系も10000系の更新が終わるまでは現状維持かと思います。
 将来の東急線直通に関する他社の動きを推測すると、東急では総合車両製作所へ甲種輸送された3000系が何らかの相鉄直通対応工事を施工されて出てくると思われます。5080系や東京メトロ9000系も増結車両はまだ出てこないでしょうけれども相鉄直通対応工事への着手はあるかもしれません。また東京都交通局も、浅草線5500形の概要発表から営業入りまで約2年だったインターバルからして、三田線の2022年度の8両編成運行開始へ向けて新車を発表することが考えられます。

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