2020年「相」決算 車両・運用編

 色々と大変な2020年でしたが、最後は年末恒例、相鉄の1年を振り返っていきましょう。まずは車両・運用についてまとめました。

車両・運用編 施設・設備編

12000系全6本が出揃う 早くも外観に変化が
20000系増備開始 まずは10両編成が出揃う
10000系リニューアル車登場 顔つきは11000系風に
9000系9701×10廃車で方向幕車両が全廃
8000系8702×10廃車と8709×10リニューアル
新7000系残り5本から順次廃車され全車引退
E233系川越線開業80thヘッドマーク付き編成が入線
終電繰り上げ区間により繰り上げ幅に差が出る予定
JR直通JR渋谷駅ホーム並列化工事で大崎行き運行
東急直通都営三田線6500形登場 相鉄直通対応は?
展望2021年の車両・運用はどうなる?

【12000系】
全6本が出揃う 早くも外観に変化が

  12000系は2月に12106×10の甲種輸送が行われ、予定していた全6本が出揃いました。6月6日には瀬谷駅で12105×10でホームと反対側のドアが開くドラブルが発生、原因はホームドア連動装置への金属片混入による回路短絡だったとのことで、異物混入防止や基板交換などの対応が取られました。細かいところでは、ATACSのID表記位置が前面右下の運転台パネルから前面左下の窓ガラスへの貼り付けに順次変更され、見た目に変化が生じました。12月20日には品鶴線のポイント故障で東海道貨物線に進入できなくなった新宿からの直通列車が「横浜行き」に変更され、JR横浜駅(横須賀線ホーム)および保土ヶ谷駅の留置線に入線するという出来事もありました。後述しますがE233系7000番台もその1ヶ月ほど前に相鉄線内の架線トラブルで同じくJR横浜駅到着・保土ヶ谷駅留置線入線に至っており、非常用に収録された「(JR)横浜」の行き先表示が初めて使用された年となりました。



【20000系】
増備開始 まずは10両編成が出揃う

  直通開始前夜の踏切事故で休車となっていた20101×10は4月に復帰し、増備車の登場に間に合いました。2020年のうちに年度内増備予定の10両編成6本が全て出揃い、20106×10まで運用入りしています。増備車はユニバーサルデザインシートが12000系と同じ仕様になった他、車内の広告用液晶モニターがドア上部への設置に変更されるなどの仕様変更が行われました。



【10000系】
リニューアル車登場 顔つきは11000系風に

  JR東日本長野総合車両センターで機器更新を行った10701×10は
深夜に試運転を実施した後、リニューアル工事に入り外装がYOKOYAMA NAVYBLUEとなりました。前面にも手が加わり11000系に似た顔つきとなったものの、内装はステッカー類・吊り革・座席モケットの交換に留まり、車内液晶モニターの設置などは見送られました。現在は10702×10が長野総合車両センターにて機器更新中で、今度は車体内外装の工事まで現地で実施されるのかが注目です。またホームドア設置に向けてTASCの設置工事が進められ、ATS-P設置時に従来ATSの表示灯として設置された装置がTASC表示灯として活用されています。



【9000系】
9701×10廃車で方向幕車両が全廃

  1年前、9701×10について
「2020年は新7000系の置き換えが優先されるでしょうが、そろそろ狙って撮影するようにしたほうがいいかもしれません。」と書きましたが、まさか2020年に廃車されるとは思いませんでした。先に新7000系が全て廃車されていたため、9701×10の廃車を持って行き先表示に方向幕を使用する車両がなくなりました。10000系や8000系のリニューアル車よりも内装更新に手が加えられていることもあり、しばらく大きな動きはなく推移すると思われます。


【8000系】
8702×10廃車と8709×10リニューアル

  やはり1年前に
「9701×10と同じく、8701×10〜8706×10はそろそろ狙って撮影しておいたほうが後で困らないかもしれません。」と書いたことが的中してしまいました。8702×10が廃車され、8707×10以来2本目、置き換えによるものとしては初めての廃車となりました。さらに続くかと思われたものの、2020年の廃車はこの1本に留まっています。一方8709×10は予想通りリニューアルが行われましたが、10701×10に先駆けて内装はステッカー類・吊り革・座席モケットの交換に留まり、車内液晶モニターの設置などは見送られ、また2本目のリニューアルも2020年のうちには始まりませんでした。



【新7000系】
残り5本から順次廃車され全車引退

  2019年の7000系に続き、新7000系も2020年で全車廃車となりました。撮影イベントは新型コロナウイルス感染拡大予防のため、あるいは
過去に行ったこともあってか開催されず、記念入場券などの発売に留まりました。種別・行き先の字幕車内案内表示器を更新して直通開始後のダイヤに対応したものの、それらが活用されたのは比較的短期間に終わりました。10両固定編成化やセミクロスシートの採用など、後の形式に続く要素を最初に採用した形式として、相鉄の車両史に欠かせない車両が引退しました。


【E233系】
川越線開業80thヘッドマーク付き編成が入線

  すっかり相鉄線を走る光景もおなじみとなったE233系7000番台。2020年は川越線開業80thヘッドマーク付き編成が相鉄にも入線しました。ダイヤが乱れた際には横浜駅を発着する運用にも入っていますが、11月17日には相鉄線内の架線トラブルで羽沢横浜国大駅に進入できなくなり、「横浜行き」に変更されてJR横浜駅(横須賀線ホーム)および保土ヶ谷駅の留置線に入線するという出来事もありました。前述の通り12月20日には12000系もJR横浜駅および保土ヶ谷駅の留置線に入線しています。




【終電繰り上げ】
区間により繰り上げ幅に差が出る予定

  周辺他社と同じく、相鉄も2021年春のダイヤ改正で終電時刻の繰り上げを実施すると発表しました。始発時刻の繰り下げは行わないとのことです。現行ダイヤから考察すると、海老名発の最終が二俣川止まりになるのではないか等の推測も出ています。先に発表されたJR側のダイヤ改正概要を見る限り、直通列車に大きな変更がなさそうなので、ダイヤ改正も終電繰り上げがメインで他に大きな変更はないかもしれません。

(画像はプレスリリースより)


【JR直通】
JR渋谷駅ホーム並列化工事で大崎行き運行

  5月30日・31日の2日間、JR渋谷駅のホーム並列化工事に伴いJR線直通列車が大崎駅発着で運行されました。相鉄線内で一部発車時刻の繰り下げがあったものの、基本的にはJR線直通列車の行き先変更以外大きな変更はありませんでした。




【東急直通】
都営三田線6500形登場 相鉄直通対応は?

  東急直通に関係した車両の動きとしては、相鉄側での20000系の増備以外では東急で引き続き3000系の直通対応工事が行われている他、都営三田線の新型車両6500形が8両編成で登場しました。デジタル無線機のメーカーから現時点では相鉄直通に対応していないものの、予備のアンテナ台座があるため将来的な可能性は期待できる気がします。東京メトロ南北線においては車両面で相鉄・東急直通線に関係する動きは特にありませんでした。


【展望】
2021年の車両・運用はどうなる?

  2020年は20000系6本の新造と3形式7本(新7000系5本・8000系1本・9000系1本)の廃車という入れ替わりの激しい1年でした。2021年は20000系の8両編成が登場する見込みですが、「新形式」という記述が一部で見られ、広義の20000系ではあると思いますが10両編成の連番とはならない可能性が推測されています。まずは甲種輸送情報でどう表記されるか、そこが「20000系」だった場合は実車の表記を見るしかありません。廃車は新7000系と9000系の対象車が全て消えた以上、必然的に8000系となるでしょう。8000系と10000系はリニューアルが同時進行になりそうです。10702×10が長野総合車両センターで内外装の工事まで施工されれば8000系のリニューアルを早く進められそうですが、どうなるでしょうか。
  東急線直通に関する他社の動きでは、来年末の時点で目黒線系統の8両編成運行開始まで半年を切っている状況なので、東急・東京メトロで8両編成化の増結車両が登場するのではないでしょうか(都営6300形は6両編成のまま存置とみられ、埼玉高速は2000系の8両編成化はない見込み)。引き続き東急テクノシステムや総合車両製作所で東急3000系の直通対応工事が進められる他、5080系の工事着手もあるかもしれません。都営6500形は当面1本で試験調整等を行うとのことで、東急線内に入線することもあるでしょうか。

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