2016年「相」決算 車両編

2016年の相鉄線を振り返る年末恒例企画、まずは車両編です。

車両編 設備編 イベント編 周辺環境編

1.走り始めた「YOKOHAMA NAVYBLUE」

2.床下機器色も変更 濃いグレーに統一へ

3.スローペースな8000系の制御装置・SIV更新

4.再びの修繕が始まった保存車群

5.いずみ野線開業40周年ヘッドマーク

6.そうにゃんトレイン交代

7.2017年の車両・運用展望

1.走り始めた「YOKOHAMA NAVYBLUE」
  2015年に「デザインブランドアッププロジェクト」の一環として公表された鉄道車両の新たなカラー「YOKOHAMA NAVYBLUE(以下YNB)」の営業デビューは、何と言っても今年の相鉄を代表するニュースです。9月にはグッドデザイン賞受賞も発表されました。
  1本目の9703Fは4月9日の「9000系リニューアル車両デビュー記念撮影会in相模大塚」で一般公開された後、翌4月10日の「いずみ野線開業40周年記念列車」で初めて乗客を乗せて走行、この記念列車の後に一般営業に入りましたが、何らかの不具合によりしばらく運用を離れました。その後は自動放送の音量やドアチャイムの鳴り方が変更されるなどして運用に復帰しています。
  2本目のYNB車は最後まで9000系のオリジナルカラーで残っていた9705Fで、こちらは9703Fと比較して側面の車番や号車・車椅子・ベビーカーマークの貼り付け位置が変更されるなど、早くも2本目から仕様が変わっており、現在更新作業中の9702Fの仕上がりが気になるところです。
  一方、YNBの実車試験に使用されていたサハ7601は役目を終えて厚木に戻されていましたが、その後再び車両センターに回送され、今度は部分的にYNBカラーとなって屋外に留置されています。公式発表はないものの、10000系と11000系のYNB化手法として検討されているラッピングの試験を行っているとの推測があり、そうであれば車体全体がYNBとなっていないのも納得できます。9000系の先に予想される10000系と11000系のYNB化へ向けて、今後の展開に注目です。



一部マスメディアでは「新型車両」として新形式車両のごとく取り上げられたりもしました。


サハ7601も引き続きYNB化に貢献しています。

2.床下機器色も変更 濃いグレーに統一へ
  従来、相鉄の車両の床下機器の塗装は、モヤ700形を含む9000系までの車両が明るいグレー(マンスル値N6相当)、10000系・11000系が濃いグレー(同N3相当・JR新系列車両と同等と推測)となっていましたが、YNBへの変更を機に濃いグレーへ統一することになりました。検査時に順次変更していくのがYNBとの違いで、グループカラー色の編成のみならず、YNB化の対象外である新7000系にもこの色に変更された編成が登場しています。YNBとしてデビューする時に車体外側に面した部分のみ変更された9703Fもその後の検査入場時に改めて全体が塗装し直されました。モヤ700形も701・702が変更済みです。


グループカラー車体との組み合わせは今のうち。


3月に検査出場した9704Fが、従来の床下機器カラーでの最後の出場車両となったようです。

3.スローペースな8000系の制御装置・SIV更新
  8000系のVVVFインバータ制御装置とSIVの更新工事は、昨年末時点で施工済みだった8710Fの営業運転復帰後、年度を跨いで8708Fに施工されました。設備投資計画でも継続工事と記載されていましたが、ついに3本目が登場しないまま2016年の終わりを迎えています。9000系の制御装置更新はATS-P導入のために全編成へ急ピッチで進められましたが、こちらは現役12本のうち半数のSIV搭載編成だけが対象で9000系ほど更新を急ぐ理由もないのか、9000系のYNB化が優先されているようです。


現状、8000系全体の1/6ということで、割とレア車な状況です。

4.再びの修繕が始まった保存車群
  車両センターの保存車群への再修繕実施も車両関係では大きなニュースと言えるでしょう。9703Fの外板塗装がひと段落した2月上旬にED11とトフ400が、9705Fの外板塗装がひと段落した9月下旬にモニ2005がそれぞれ修繕入りして再び美しい姿を取り戻しました。このように修繕はYNB化の合間に行われている状況で、残るモハ6001とモハ6021は現在YNB化作業中の9702F全10両が外板塗装を終えてからの実施となりそうです。





5.いずみ野線開業40周年ヘッドマーク
  2016年4月8日で二俣川〜いずみ野間の開業から40周年となり、7000系に編成ごとで異なるヘッドマークが掲出されました。プラレール発売時以来のヘッドマーク掲出でしたが、今回はデザインも編成ごとに異なっていたのが印象的でした。




皆さんは全デザインを撮影できたでしょうか?

6.そうにゃんトレイン交代
  11004Fで運行されてきた「そうにゃんトレイン」は、3月13日の「そうにゃんバースデーフェスタin相模大塚2016」において11003Fへと交代しました。11003Fは初代「そうにゃんトレイン」でもあったため再起用です。イベント編でも触れますが、「そうにゃん」のイベントも系列のベイシェラトンホテルで別途開催されたりしているので、来年の相模大塚でのフェスタ開催、さらには「そうにゃんトレイン」の継続運行も来年は微妙な情勢ではないでしょうか。




7.2017年の車両・運用展望
  9703Fの報道公開時には新型車両のイメージが公開され、アルミ車体っぽいとか、そうなれば日立製に回帰するんじゃないかとか、様々な憶測を呼びました。また、相鉄ホールディングス株主総会出席者とされる方のツイートによれば、会社側から来年2017年の新車導入という発言があったそうです。さらに日経新聞が250億円かけて180両の新車を導入すると報じるなど、いよいよ新形式登場が迫っているように感じられます。
  YNB化については、かつての5100系→5000系化のように総合車両製作所などへ入場させない限り、2017年も9000系への施工で手いっぱいと見られます。サハ7601でのラッピング試験?は2017年の途中で1年経過するので、その行方にも注目です。
  保存車の修繕はモハ6001とモハ6021が残っていますが、先ほど書いたように9702FのYNB化がひと段落するまでは着手できないはずです。特にモハ6001については現在と同じデビュー時の塗装を維持するのか、それとも黄緑色の塗装を復活させるのかが気になります。
  また、2016年はダイヤ改正がなかったため本記事を「車両・運用編」ではなく「車両編」としてまとめましたが、2017年は3月に星川周辺の下り線高架切り替えが予定されているため、このタイミングでダイヤ改正を行う可能性があり、2017年のまとめでは再び「車両・運用編」として記事を作成できることを期待したいと思います。

「20000」という番号が書かれた新型車両のイメージ画像。果たして「君の名は」?

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