2018年、相鉄線ニュースが取り上げた話題の数は昨年を上回りました。ということで、相鉄の1年を振り返る年末恒例企画、車両・運用編です。 |
久々の日立製 東急直通用20000系デビュー 2017年に製造された20000系20101×10は前年末の予告通り、2月11日に営業運転を開始しました。初日は4.5往復で車両交換され、その後も座席下の暖房装置やユニバーサルシート横の座席袖仕切りを改良されるなどの小変化があったものの、大きなトラブルは無いまま運行を続け、9000系リニューアル車以来ています。2019年は後述の12000系が増備されるため、当分は1本のみでの活躍が続きそうです。 |
モハ6001再修繕実施 新塗装が復活 車両センターの保存車群は2016年にED11・トフ400・モニ2005の再修繕が行われた後、2017年は動きがありませんでしたが、3月にモハ6001が再修繕されました。それまでのいわゆる旧塗装に代わり、若草色とも呼ばれた新塗装が約10年ぶりに復活しています。 |
11000系全編成の前照灯がLED化 2017年に11001×10で2つのメーカーをテストした11000系のLED前照灯は、2018年に全編成でコイト電工製のものに交換されました。8000系・9000系の交換、そして20000系でもコイト電工製のLED前照灯を採用しています。 |
8709×10が発煙トラブルから運用復帰 台風一過の2017年10月23日早朝、停電とほぼ同時に二俣川に到着する直前だった8709×10から発煙があり、一部のパンタグラフ付近で屋根に穴が開く事態になったのは衝撃的な事故でした。それから11ヶ月、当該車モハ8125の修理が行われ、9月に運用へ復帰しました。 |
高架化完成で直通前最後?のダイヤ改正 11月23日深夜の星川〜天王町間上り線の高架化に伴い、12月8日にダイヤ改正が実施されました。基本的には高架化による上り列車の所要時間短縮がメインですが、星川・二俣川(本線上)・大和での夜間滞泊が始まり、星川滞泊編成は平日早朝にそのまま星川始発の各停として運行されるなど、いくつか面白い変更点もありました。次のダイヤ改正はいよいよJR直通に伴うものとなりそうです。 |
新しい弱冷房車・優先席ステッカー登場 弱冷房車ステッカーは2008年から現役車両が全て今のデザインになっていますが、今回デザインブランドアッププロジェクトに準拠したデザインが登場しました。総合車両製作所に姿を見せた12101×10で初めてデザインが確認され、その甲種輸送前にリニューアル工事を施工されて運用復帰した9706×10が営業運転第1号となりました。既存の9000系リニューアル車両も交換された編成があり、20101×10も交換されると思われます。 優先席ステッカーは2015年10月の首都圏事業者一斉の携帯電話マナー変更で交換されましたが、普及・啓発活動が進むヘルプマークの記述を追加したものが登場し、交換が進んでいます。同じステッカーは東京メトロでも確認していますが、東急は2015年交換のステッカーにヘルプマークのステッカーを追加するなど、今のところ3年前とは異なり首都圏の事業者一斉の交換となっていない感じです。 |
9000系リニューアル工事は残り1本に 9000系のリニューアル工事は9706×10に施工されました。残る工事対象編成は9707×10のみです。9706×10はここまでいくつかの話題で言及したように、TASC設置・車掌スイッチ交換・新しい弱冷房車ステッカー貼り付けなど、リニューアル中に他の編成で見られた新たな設備を取り入れて運用に復帰しています。 |
JR直通開始は2019年12月?大晦日の報道 一旦この記事を書いた後の12月31日午後3時前、共同通信から「JR相鉄直通、19年12月軸 埼玉―神奈川の直結列車も」という記事が配信されました。これに関する自分の見解・推測は急きょ書いた当該記事をご覧頂きたいと思いますが、これが事実ならもう日数的には直通開始まで1年を切っています。ここから一気に慌ただしくなりそうです。 |
2019年の車両・運用展望 今年の20000系に続き、2019年は12000系がデビューします。JR直通開始が報道通り2019年12月であるならば、残る5編成は2019年のなるべく早いうちに揃うのが理想です。乗務員訓練のためJRへ貸し出す必要がありますし、逆もまた然り。直通線が走行可能な状態となってトンネルの向こうからE233系7000番台が乗務員訓練の為にやって来る日が楽しみです。既に相鉄対応の保安装置やTASCなどを設置した編成が登場しており、また増備車も登場する模様なので、それらの動きにも注目です。 12000系が出揃えば当然7000系を中心に既存車両にも動きはあるでしょう。8両編成の新造は20000系を待たねばならない以上、20000系による置き換え対象編成を一時的に8両編成化して新旧7000系8両編成を置き換えることも考えられそうで、また構造上不可能でもないようなのですが、実際はどうなるでしょうか。 既存車両の動きで7000系以上に気になるのが11000系です。日刊工業新聞が12000系と共に11000系もJR直通に使用されると報じており、11000系にJR直通対応化工事が施工されると思われますが、2018年に目立った動きはありませんでした。11000系は直通先と目される埼京線のE233系7000番台とは逆向き(サハの位置のみ共通)に組成されていますが、12000系はE233系7000番台と全く同じ向き・組成(電動車と付随車、予備パンタ設置車の連結位置など)、さらにATACSも搭載して登場しており、厳密に仕様を合わせるならば方向転換や組成変更も必要となり、とても1年未満で5編成の改造を車両センターだけで賄えそうもありません。小田急4000形よろしく、東京総合車両センターか大宮総合車両センターへ甲種輸送・改造工事委託はあるでしょうか。そもそもラッシュ時に4本/h、日中に2〜3本/hという運行本数に対して相鉄が当初から12000系と11000系で合計11編成も用意する必要があるかは議論の余地がありますが、この辺りは1年後を待たずとも新年度の設備投資計画で何らかの言及があるんじゃないかと思います。 そして9000系のリニューアル工事は9707×10を残すのみとなり、いよいよ最終段階です。順当に行けばこの後は8000系8708×10〜8713×10に同様のリニューアル工事が施工されると思われますが、新年度に着手するのであればこれも設備投資計画で言及されるか、別途プレスリリースが発表されるのではないでしょうか。 運用は、上記の通りJR直通の開始が2019年12月の方向と報じられたので約1年で次のダイヤ改正が行われることになります。これは恒例のJRグループダイヤ改正とは異なるタイミングとなるので、概要の発表がいつになるかは読めません。また共同通信辺りが直前に「○日にも発表される」と報じるでしょうか。引き続きメディアチェックも怠ることなく、1年後のまとめ記事で開業後の様子について書けることを期待します。 |